Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こじじゅんれい

古寺巡礼

和辻 哲郎

Lisez 古寺巡礼 (こじじゅんれい) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 765 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

このできばえには実際驚異を覚えずにはいられない。中尊の顔は正面から来る光線のために妙にはにかんだような、泣き出しそうな表情に見えるが、光線を少し柔らげて陰影をほどよくすると、その奇妙な微笑もはれぼったい瞼も、きわめて美しい優しみ、ういういしい愛らしさを印象する。その顔のつくり方が、扉に描かれたインド風の足細く乳房の大きい菩薩と同じく、新しい様式によっているにもかかわらず、その感じはむしろ中宮寺の観音の方に近い。衣のひだの柔らかさも推古仏と壁画とのちょうど中間である。脇侍の菩薩はかなり推古仏に似ているが、乳の柔らかいふくらみや少しく腰をまげたところは幾分扉絵の気分にも似通っている。その顔の感じは本尊と同じくわが国独特のものである。後方の屏障に刻まれた菩薩も、その肉づけの柔らかさといい衣の自由ななびき方といい、実に息のつけないほど美しいものであるが、そこにも新来の様式の日本化が見える。西域式美術を吸収することによってこの種の甘美な、哀愁と慈愛に充ちた美術が造られたことは、日本人の特性を考える上に重大な暗示を投げるだろう。

この廚子が橘夫人の遺愛の品であるかどうかは、確証のないことであるが、製作の時代から言って必ずしもあり得ぬことではないらしい。