Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かわいいやま

可愛い山

石川 欣一

Lisez 可愛い山 (かわいいやま) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 98 791 caractères · 196 écrans

Aozora Bunko

敗けた戦争や、その戦争末期の比島のジャングルの中での生存――生活とはいえない――が、私をタフにしたのだろうか。それとも大正の終りから昭衵のはじめにかけての、いわゆる「善き古き日々」が、われわれ日本人を全体に甘い人間にしたのだろうか。

*

「ふと私は足がかりも、手がかりもない人生の岩壁に、私という弱い、細い、いつどこでスナップするか判らぬザイルを、ライフ・ラインとしてぶら下っている三つの命を思い浮べた。ほうり出されたら小学校の先生になる資格さえも持たぬ妻、朝も晩も、目をさましている間は、私が家にいる間は、私にまとわりついて離れぬ三つになる女の子、半月前、旅に出る頃から、ようやく腹ンばいになって、両手の力で顔をあげるようになった男の子――」

この男の子は大阪郊外の牧落という所で生れた。これを書いた翌年、私は東京に勤任になり、仙台の高等学校でちょっとやったスキーを、再び、今度は本式に、やり始めた。一度東京で大雪が降り、玄関から門までスキーを走らせたことがある。この時は子供が三人になっていて、上の二人は家の中で物差しや鰯の味醂干にのって畳の上を歩き、まだ歩けない赤ん坊は、女中さんにおぶさったまま、「アーバカバカ」