Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 220 431 caractères · 428 écrans
それが嵩じて、利益の分配のことにもけんかの花が咲き、その結果があの笛の中の書き置きにあったようなしばいがかりのつらあて毒死になったものでしたが、運よくもまたそれをわれわれの崇拝おかないむっつり右門に発見されましたのでしたから、かれの明知が瞬間にさえ渡って、遺書の中に見えた、いまにぼちぼちと世間に知れるだろうという一句から、早くも伝六が奉行所から持ってかえった報告中のにせ金事件に推定を下し、かくのごとくに奇想天外疾風迅雷的の、壮快きわまりなき大捕物となるにいたったのでありました。
だから、右門は吟味をとげて、女もろとも一味の者を獄門送りに処決してしまうと、いとも心もちよさそうにいったことでした。
「これで糸屋の若主人も迷わず成仏するだろうよ。遺言どおりに、塩首が見られるんだからな」
しかし、伝六は不平そうにいったものです。
「ところが、あっしゃ成仏しませんよ。もうこんりんざい、だんななんぞに幽霊屋敷や化け物話を聞かせるこっちゃねえ。だんなの知恵じゃ、すぐとそいつが一味の巣窟にも穴倉にも見当がつくんでがしょうが、あっしゃぺったり生き血を首筋へやられたときゃ、五年ばかり命がちぢまりましたぜ」