Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lisez 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 220 431 caractères · 428 écrans

Aozora Bunko

ところが、そのご内意を知ったとき、はしなくもここに一つの故障がもち上がりました。右門の出馬するにいたったこの少年誘拐事件の発端が、すなわちその故障に基因していたのですが、すでに知らるるとおり、あれなる青まゆの女は、生まれが葉茶屋の多情者でしたから、お家の断絶後における淫楽の自由を得んために、じゃまな嫡子はもとの忠僕であったあの質屋、すなわち三河屋へくれてしまったのでした。そこへ新規八百石にお取り立てという宗家大久保加賀守からのご内意があったものでしたから、青まゆの女のにわかに狼狽したのは当然なことで、しかも嫡子なる質屋へくれた少年を召し連れて、宗家大久保加賀守のところへ出頭するについては、あの茶わんの中でたわいもなく溶けてしまった金の大黒がぜひに必要でありました。あの見かけ倒しなどろ大黒こそは、実をいうと加賀守から少年がまだ幼時のみぎりお守りとして拝領したもので、それにしてはろくでもないお守りをやったものですが、しかるにその証拠となるべき豆大黒は、彼女のまだ世にあったころからの不義の相手であった当時の用人、お家断絶後に古道具屋となってしまったあの右の小手に刀傷のあるおやじの神だなで消えてしまい、反対に日本橋の人形町で見つけてきた別のどろ大黒が、質屋の神だなに飾られだしたものでしたから、てっきり三河屋のおやじ