Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 221 941 caractères · 435 écrans
だゆえ、たんざく流しの催しがあると聞いたをさいわい、船頭の権七どのに三両渡して事情を打ちあけ、ゆうべのような手荒いまねをしたのでござります。それというのも、こちらの九郎兵衛様があとのひとりをせきたてなさいましたゆえ、はよう金を手に入れまして、天下晴れてのめおととなりたいばっかりに、つい手荒なまねをいたしましたのが運のつきでござりました。なれども、ただ一つお三方のお嬢さまがたにみだらな指一本触れさせませなんだことだけは、どうぞおほめくだされませ。せめて、それをたった一つのみやげに、くやしゅうござりまするが、男をあとへのこして、地獄の旅へ参りましょう……ごめんなさりませ。ごめんなさりませ」
小町行者は見せまいとした涙があふれ上がったとみえて、白衣のそでを面におおいながら、よよとそこに泣きくずれました。うち見守って名人は、ややしばしじっと考えこんでいましたが、やむをえまいというもののように、声も重く言い放ちました。
「聞いてみりゃもっと慈悲をかけてやりてえが、とにかくも人ひとりの命をあやめていなさるんだ。河童権に一服盛ったとがだきゃまげられますまいからね、十年ばかり八丈島へでも行っておいでなせえよ。