Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 105 caractères · 337 écrans
ふらちなその両名、てまえにお渡しくださらぬか」
「あなたさまは!」
「なにも聞いてくださるな。名も名のりとうはない。当加賀家に仕えておる者じゃ。さればこそ、加賀家の面目思うて、この一条、世にも知らさずに葬りたいのじゃ。家臣の者が顔を見せなんだのもそれがため。お渡しくださらば、てまえ必ずおこよどのに力を添えて、夫のあだ討たせましょう。いかがでござる。ご不承か」
いうことばのはしばし、名は名のらなかったが、まさしく加賀家のお重役です。名人の顔に会心げな笑みがのぼりました。
「なるほど、筋の通ったおことば、しかとわかりました。百万石のご家名に傷がついては、一藩を預かるおかたとして、さぞやご心痛でござりましょう。ご所望ならば、お渡しする段ではござりませぬ」
「かたじけない。――すぐさまその両名をひっ立てて、あだ討ちの用意させい! おこよどのも参られよ」
あい、とばかりに、おこよは泣き喜びながら、子持ちすずりをしっかとかかえて、なわつきのふたりのあとを追いました。
「うれしいことになりゃがったね」
見ながめて、伝六がくすりとやりました。
「でも、ちょっとあっしゃ気になることがあるんだがね」