Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 105 caractères · 337 écrans
あっしが下手人でもないのに下手人だと、このとおりおなわにされましたんで、だんなさまを呼んでくるまでは手をつけさせぬ、始末もさせぬと、敬四郎だんなをてこずらせているんでござります。そのふろおけの中が――」
「死骸か!」
「そうでござんす。家内めが変わり果てた姿になっております……よくお見調べくださいまし」
近寄るまえに小娘はさかしくもおけの上からはいおりると、右門の狂わぬ検証を一刻も早く待ちのぞむかのように、重いふたをけんめいに取りのけました。
「かしこいことでありますのう。では、見せてもらいましょう」
歩みよって、静かにのぞいてみると、なるほど、女の死体がまだ湯気のたちのぼっているおけの中に、ぐったりと沈んでいるのです。
そのぶきみさ! 気味のわるさ! 血は一滴もない。死因のわからぬあぶらぎった中太りの女の死体が、ぶよんとしたなま白い色をたたえて、湯の中に沈んでいるのです。
年は三十ぐらい。
乳がある。
しかし、乳首は黒くない。処女のようにひきしまっているのです。子どもを産んだことのない証拠でした。
首におしろいが見える。
洗ったはずなのに落ちきっていないところをみると、厚化粧していたに相違ない。