Classiques japonais avec furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lisez 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 584 caractères · 59 écrans
。その薄い光で一ツの寝床に寝ている弁公の親父の頭がおぼろに見える。
文公の黙っているのを見て、
「いつものばばアの宿へなんで行かねえ?」
「文なしだ。」
「三晩や四晩借りたってなんだ。」
「ウンと借りができて、もう行けねえんだ。」と言いさま、咳をして苦しい息を内に引くや、思わずホッと疲れ果てたため息をもらした。
「からだもよくないようだナ。」と、弁公初めて気がつく。
「すっかりだめになっちゃった。」
「そいつは気の毒だなア」と内と外でしばし無言でつっ立っている。するとまだ寝つかれないでいた親父が頭をもたげて、
「弁公、泊めてやれ、二人寝るのも三人寝るのも同じことだ。」
「同じことは一つこった。それじゃア足を洗うんだ。この磨滅下駄を持って、そこの水道で洗って来な、」と弁公景気よく言って、土間を探り、下駄を拾って渡した。
そこで文公はやっと宿を得て、二人の足のすそに丸くなった。親父も弁公も昼間の激しい労働で熟睡したが文公は熱と咳とで終夜苦しめられ、明け方近くなってやっと寝入った。
短夜の明けやすく、四時半には弁公引き窓をあけて飯をたきはじめた。親父もまもなく起きて身じたくをする。