Classiques japonais avec furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lisez 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 584 caractères · 59 écrans
あまり空想だと笑われるかも知れませんが、白状しますと、六蔵は鳥のように空をかけ回るつもりで石垣の角から身をおどらしたものと、私には思われるのです。木の枝に来て、六蔵の目の前まで枝から枝へと自在に飛んで見せたら、六蔵はきっと、自分もその枝に飛びつこうとしたに相違ありません。
死骸を葬った翌々日、私はひとり天主台に登りました。そして六蔵のことを思うと、いろいろと人生不思議の思いに堪えなかったのです。人類と他の動物との相違。人類と自然との関係。生命と死などいう問題が、年若い私の心に深い深い哀しみを起こしました。
イギリスの有名な詩人の詩に「童なりけり」というがあります。それは一人の子供が夕べごとにさびしい湖水のほとりに立って、両手の指を組み合わして、梟の鳴くまねをすると、湖水の向こうの山の梟がこれに返事をする、これをその童は楽しみにしていましたが、ついに死にまして、静かな墓に葬られ、その霊は自然のふところに返ったというこころを詠じたものであります。
私はこの詩がすきで常に読んでいましたが、六蔵の死を見て、その生涯を思うて、その白痴を思う時は、この詩よりも六蔵のことはさらに意味あるように私は感じました。