Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうほう
同胞
豊島 与志雄
Lisez 同胞 (どうほう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 713 caractères · 32 écrans
そして、客は皆大人ばかりだったし、女の人も二人いたし、何やかの都合から、母が接待役の格で居残ることになって、恒夫は祖母の伴をして帰って来た。
恒夫としては我儘から出たそのことが、祖母にとっては非常に嬉しかったものらしい。打晴れた初春のぽっかりした暖みなのに、祖母は炬燵をいれさして、恒夫にもそれにあたらせたがった。そして恒夫がお義理半分に、足先だけを炬燵布団の中に差入れて、畳の上に腹匐いながら、雑誌の小説を拾い読みしてるのを、しみじみとした眼付で見守って、述懐めいたことを話しかけた。然し恒夫は、祖母の言葉に興味を覚えなかった。祖母が父の十三回忌にめぐり会おうと、昔のことを考えると夢のような気がしようと、そうして生きてるのが有難いことだろうと、そんなことはどうでもよいのだった。
「何時になるでしょうね。」と祖母は尋ねかけた。
恒夫には何時だって構わなかった。
「お母さん達ももうじきでしょうよ。」
その言葉の語気に、恒夫は祖母が自分を憐れんでることを感じた。と同時に、自分のうちにも祖母を憐れむ情があることに気付いた。何だか喫驚して眼をくるくるさして、頭をねじ向けて見ると、祖母の眼がいつもより多く濡みを帯びてるようだった。