Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
着ている衣裳も美術的であった。しかしそれは日本服ではなく、阿蘭陀風の服であった。それも船員の服らしく、袖口と襟とに見るも瞬ゆい、金モールの飾りがついていた。手には変った特色もない。ただ手首がいかにも太く、そうして指がいかにも長く、船頭の手などに見るような、握力の強そうな手であった。さて最後に足であるが、足は最も特色的であった。というのは右の足が、膝の関節からなくなっているので、つまり気の毒な跛足なのであった。でズボンも右の分は、左の分よりは短かかった。
彼は長椅子に腰かけていた。その長椅子も日本の物ではなく、やはりオランダかイスパニヤか、その辺の物に相違なかった。長椅子には毛皮がかけられていた。それは見事な虎の皮で、玻璃製の義眼が燈火に反射し、キラキラ光る有様は、生ける虎の眼そっくりであった。毛皮の上には短銃があった。それとて日本の種子ヶ島ではなく、やはり舶来の品らしかった。
部屋はかなり広かった。そうして老人を囲繞して、珍奇な器具類が飾られてあった。縅の糸のやや古びた、源平時代の鎧甲、宝石をちりばめた印度風の太刀、磨ぎ澄ました偃月刀、南洋産らしい鸚鵡の剥製、どこかの国の国王が、冠っていたらしい黄金の冠、黒檀の机、紫檀の台、奈良朝時代の雅楽衣裳、同じく太鼓、同じく笛、大飛出、小飛出、般若、俊寛、少将、釈迦