Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

が、そいつは見つかりッこはねえ。何せ別荘にはないんだからね。それこそ途方もねえ素晴らしいところに、しっかり蔵ってあるんだからね」

その丑松はこの邸では、かなり重用の位置にいた。九郎右衛門も丑松だけには、どうやら一目置いているらしかった。年は三十とはいっているけれど、一見すると五十ぐらいに見え、身長といえば四尺そこそこ、そうして醜いみつくちであった。

彼はいつも象ヶ鼻の上から、入江ばかりを見下ろしていた。

この家で一番の不幸者は、お艶の弟の六蔵であった。それは重い心臓病で、死は時間の問題であった。それに次いで不幸なのは、六蔵達の母であった。良人の強い意志のもとに、長年の間圧迫され、精も根も尽きたというように、いつもオドオドして暮らしていた。

妖艶たる九郎右衛門の娘

この中にあってお艶ばかりは、太陽のように輝いていた。美しい縹緻はその母から、大胆な性質はその父から、いずれも程よく遺伝されていた。そうして彼女の美しさは、清楚ではなくて艶麗であった。もし一歩を誤れば、妖婦になり兼ねない素質があった。肉付き豊かなそのからだは、雪というより象牙のようで、白く滑らかに沢を持っていた。