Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
「なにか取り込みでもあるらしいな」
「ご客来だそうでございます。……能面をおもとめなされたそうで」
「ふん、それを見せるのか」
「お知り合いのお方をお呼びして」
「勝手なものだ。金持ちは」ギラリと浪人は眼を光らせた。「お北!」と相手の眼を見ながら、
「昔のお前に返る気はないかな?」
女房は凝然と動こうともしない。
「たかが相手はオイボレだ。……お前にぞっこん参っているらしい。……女中が去った、手伝いに来い。……などとお前をよぶではないか……急場のしのぎだ。格好な口だ」
亡魂のうたう追分節
「妾はイヤでございます」
「今の俺達は食うにも困る。それはお前も知っている筈だ。……なにもむずかしいことはない。ただ、笑って見せてやれ」
「昔の妾でございましたら……」
「俺から頼む、笑って見せてやれ」
「妾には出来そうもございません」
「そこを俺が頼むのだ」
「…………」
「ではいよいよ不承知か! そういうお前は薄情者か!」
ポキリポキリと枯れ枝を折り、それを炉の火へくべながら、美男の浪人はいいつづけた。
「落ち目になれば憐れなものだ。女房にさえも馬鹿にされる。その女房とはその昔、殺すといえば殺されましょうと、こういい合ったほどの仲だったのに。