Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

「こんな筈はない。どうしたんだろう?」そこでもう一度坐り直し、ポンポンポンと続け打ってみた。と、その音は依然として、素晴らしい高鳴りをするのであった。「どうもこいつは解せねえなあ」こう次郎吉は呟いたが、そのまま鼓を膝へ置くと、眉をひそめて考えこんだ。「千代田城の大奥へ、一儲けしようと忍び込み、この鼓を調べたとき、ちょうどこんなような音がしたが、名に負う柳営とあるからは、八百万石の大屋台、腹のドン底へ滲み込むような、滅法な音がしようとも、ちっとも驚くにゃあたらねえが、いかに構えが大きいといっても、たかが個人の別荘から、こんな音色が伝わって来るとは、なんとも合点がいかねえなあ」……じっと思案にふけったが「三度が定の例えがある。よし、もう一度調べてみよう。それでも音色に変りがなかったら、十万二十万は愚かのこと、百万にもあまる黄金白金が、あの別荘にあるものと、見究めたところで間違いはねえ。いよいよそうなら忍び込み、奪い取って一釜起こし、もうその後は足を洗い、あの米八でも側へ引き付け、大尽ぐらし栄耀栄華、ううん、こいつあ途方もねえ、偉い幸運にぶつかるかもしれねえ。