Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

それを外した丑松は、逃げ場を失って北側の廊下を、西の方へ走って行った。そこへ飛び出したのが次郎吉であった。撲る、蹴る、掴み合う! やがて一人が「ウ――ン」と呻き、バッタリ仆れる音がした。二人の人間は立ち上がり、はじめて顔を見合わせた。

「玻璃窓の旦那、お久しぶりで」

「おっ、貴様は和泉屋次郎吉!」

「あぶないところでございましたなあ」

「それじゃ貴様が何かを投げて……」

「走って行っちゃ間に合わねえ。そこで鼓を投げやした」「ううん、そうして俺を助けた!」「へん、敵を愛せよだ!」「眼力たがわず和泉屋次郎吉、わりゃあやっぱり鼓賊だったな!」「だが鼓はこわれっちゃった」「捕った!」というと平八は、次郎吉の手首をひっ掴んだ。

「見事捕る気か! さあ捕れ捕れ! だが命の恩人だぞ!」

「ううん」というと平八は、とらえた次郎吉の手を放した。

森然と更けた夜の館、二人は凝然と突っ立っていた。

一方こなた平手造酒は、次郎吉と別れるとその足で、出邸の一つへ走って行った。出邸には全く人気がなく、矢狭間造りの窓から覗くと、内部は整然と片付けられていた。で、内へはいってみた。ここへ七人立てこもったなら、五十人ぐらいは防げようもしれぬと、そう思われるほど厳重をきわめた砦のような構造であったが、しかしどこにも隠れ戸もなければ、地下へ通う穴もなかっ