Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

「あの追分の歌い手をな」「不安なものでも感じたのか?」「陰惨たる殺気、陰惨たる殺気、それが歌声を囲繞いている」「それは大変だ。急いで行こう」

ありあう庭下駄を突っ掛けると、ポンと枝折戸を押し開けた。往来へ出ると一散に、桝形の方へ走って行った。さらにそれから右へ折れ、月明らかに星稀な、北国街道の岨道を、歌声を追って走って行った。

馬上ながら斬り付けた

こなた甚三は蹄に合わせ、次々に追分を唄って行った。彼の心は楽しかった。彼の心は晴れ渡っていた。……恋の競争者の富士甚内が、追分を見捨てて立ち去るのであった。お北を見捨てて立ち去るのであった。もうこれからは油屋お北は彼一人の物となろう。これまでは随分苦しかった。人知れず心を悩ましたものだ。相手は立派なお侍、殊に美貌で金もあるらしい。それがお北に凝っていた。そうしてお北もその侍に、心を奪われていたものだ。宿の人達は噂した。いよいよ甚三は捨てられるなと。誰に訴えることも出来ず、また訴えもしなかったが、心では悲しみもし苦しみもした。訴えられない苦しさは、泣くに泣かれない苦しさであった。泣ける苦痛は泣けばよい。