Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くちびるそう
唇草
岡本 かの子
Lisez 唇草 (くちびるそう) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 002 caractères · 14 écrans
、いった。
「僕寄宿舎を出て、ある先輩の家へ引越すから、伯父さんにはうまくいっといて下さい」
私は従弟の今までの妙な恋愛事件の二三を知ってるものだから、どうやらまたおかしいと疑って訊ねた。
「どんな家なの。どういうわけよ」
すると、従弟は唇をちょっと尖らして、口角を狐のように釣り上げ、モナリザの笑を見せていった。嬢
「可哀そうなんだよ。その家の主婦が、お嬢さん育ちの癖に貧乏して仕舞って、こどもを一人抱えてるんだ。うっちゃっときゃ、まあ母子心中か餓死なんです」
「ご主人は」
「主人は、僕の農芸大学の先輩に当る園芸家なんですが、天才肌でまるで家庭の面倒なんか見ないんです。酒とカーネーションの改良に浸り切っています」
「およしなさい。あなたには重荷の騎士気質なぞ出してさ。そんな家庭へ入り込んで、面倒なことにでもなるといけませんよ」
すると従弟は不服そうな顔をして、その時は別れたが、結局、一週間も経たないうちに、その家へ入り込んでいた。知らせの手紙には、こう書いてあった。
「やっぱり来て仕舞いましたよ。だってあんまり見るに見兼ねるんだもの。伯父さんには自然と知れるまで黙ってて下さい。