Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うそアつかねえ

嘘アつかねえ

山本 周五郎

Lisez 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 523 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

あとは口の中でもぐもぐ云って、かなりしっかりした足つきで、松は歩いていった。

――危ないな、悪く暴れるんじゃないかな。

信吉はちょっと不安になり、それとなくあとからついていった。松は横丁へ曲ったが、そこは家が三四軒しかなく、向うは空地で、つまりその貧しい一画の隅に当るらしい。松は左側の長屋の、いちばん端の家の前へ寄っていった。

――戸を蹴破ってはいんなよ。

松が子供のときそう思ったという、その言葉がふっと信吉の頭にうかんだ。しかし、松は閉っている雨戸の前で、遠慮がちな、低いよわよわしい声で呼んだ。

「――阿母ア、けえッたぜ、あけて呉んな、けえッたぜ阿母ア」そして指の尖で、トントンと軽く、ほんの軽く雨戸を叩いた。

信吉は逃げだしたくなるのをがまんした。歯をくいしばるような思いで、松の哀しい呼声と、訴えるような戸を叩く音を聞いていた。やがて家の中から女がだみ声でどなる、あけすけな、仮借のない罵詈が聞える。だが信吉はがまんして苦行でもするかのように耳を澄ましていた。

「そんなこと云わねえでよ、あやまるからよ、なあ阿母ア、外は寒くッて、……おらあこごえ死ンじまうよ、なあ阿母ア、おらあこのとおりあやまるからよ、なあ、……なあ」