Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
Lisez 四日のあやめ (よっかのあやめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 200 caractères · 38 écrans
十時ちょっとまわった頃に、矢部六左衛門が訪ねて来た。矢部は二百五十石の山方奉行で、六左衛門は主税介の叔父に当っている。廊下を踏み鳴らすように入って来た六左衛門は、息をきらし、汗をかいていた。
「よかったよかった、よくいてくれた」
五十歳になるこの叔父は、昂奮して咳きこみながら、殆んど主税介の手を握らんばかりにして、「おれはもうでかけたものだと思って九分どおり諦めて来たんだ、よかったよかった」と繰り返し、客間へ入るなり云った。
「水を一杯もらおう、いそいでくれ」
水を取りにゆきながら、千世も心の中で「よかったよかった」と呟いた。たぶん籠崎大洲の事がわかったのに違いない、もう良人が誘い出されるようなことはないだろう、と思った。
「どうなすったのです、なにごとですか」
「なにごとですって」六左衛門は水を飲み終って云った、「ではなにも知らないんだな、うんそうだろう、知っていればでかけた筈だからな、もう一杯くれ」空になった天目を千世に渡して続けた。「おれは話を聞いてすぐに此処へ駆けつけたから、大洲のもようは知らないが、馬廻りと徒士組とが、ついに衝突してえらい騒ぎが起こったのだ」