Classiques japonais avec furigana
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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Lisez 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 000 caractères · 111 écrans
しっかりしろ。気をしずめなくちゃ……」
パイ軍曹はだしぬけにピートが、さわぎだしたもので、これまた、心臓が破裂したようなおどろき方だった。
「軍曹どの。奇蹟です。大奇蹟です」
「なんじゃ、奇蹟とは」
「あり得ないことが起ったのです。ほら、この林檎です。自分の足許へ、ころころと転がってきました。この林檎がですよ」
「あっ。林檎だ! こっちへ、よこせ」
「だめです。自分が見つけたんです」
「一寸見せろ。この林檎は、どこにあったのか」
「軍曹どの、半分ずつ食べることにしましょう。自分にも、残してください」
「食べるのは後まわしだ。おいピート、この林檎は、喰いかけだぞ。お前、早い所、やったな」
「いいえ、うそです。自分は、まだ一口も、やりません」
「それは、ほんとか。ほら見ろ。ここのところに歯型がついている。お前が、かじらなければ、誰が、ここのところを、かじったんだ」
「さあ? とにかく、まだ自分は、決してかじりません」
「じゃあ、いよいよこれはへんだぞ。お前がかじらず、おれがかじらないとすれば、この生々しい林檎のうえについている歯型は、一体、だれがつけたんだろう?」
二人は、ぞーっとして、互いに顔を見合せた。