Classiques japonais avec furigana
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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Lisez 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 000 caractères · 111 écrans
その中の一人が、このように号令をかけた。
「陸軍戦車軍曹ジョン・パイ」
「陸軍戦車一等兵アール・ピート」
「……」
一同の視線が、三人目の沖島のうえに、集中された。
「おい、なぜ、黙っとる。早く官姓名を名のらんか」
「……」
「おい、お前は聞えないのか」
「こいつは」
と、パイ軍曹が、いおうとするのを、沖島は、皆までいわせず、
「地底戦車長、黄いろい幽霊」
「なに、もう一度、いってみろ」
「この地底戦車長の黄いろい幽霊だ」
「黄いろい幽霊! ふざけるな」
すると、パイ軍曹が、さっと前へ出て来て、沖島をするどく指し、
「こいつは、中国人――いや、日本人の密偵にちがいありません。この戦車の中に、しのびこんでいたので、自分が捕虜となしたものであります」
「え、日本人? そいつは、たいへんだ。それ、取りおさえろ」
「別に、逃げかくれはせん。逃げたって、この氷原を、どこへ逃げられるだろうか。アメリカ兵は、思いの外あわて者が多い」
「なに! かまわん、しばれ」
「いや、待て!」
前に進んだ一団の中で、どうやら一番えらそうに見える人物が、こえをかけた。
「は」
「その、黄いろい幽霊がいうとおり、こんなところで、逃げだしても、食糧がないから、生命がないことが分っている。