Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Lisez 地獄の使者 (じごくのししゃ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 419 caractères · 152 écrans

Aozora Bunko

帆村の申出に、一座には顔をしかめる者もあったが、長谷戸検事はすぐ警官を手招きして、亀之介をここへ連れてくるように命じた。

暫くすると、二階の居間を出た亀之介が、のっそりとこの広間へ入って来た。

「何の用ですか」

機嫌はよろしくない。

「お聞きしたいことがある。そこへ掛けて下さい。この帆村が訊きます」

検事は親切に帆村のために段取を整えてやった。亀之介は、椅子をこの前と同じく、窓の傍へ引張っていって腰を下ろした。そしてまだ先刻のままに窓枠のところに載っている灰皿へ、葉巻の灰を指先で叩いて落とした。しかし灰は、まだいくらも先についていなかった。

「簡単なことをお訊ねいたしますが」

と帆村は丁重に口を切った。

「昨夜この邸へお戻りになったとき、玄関の扉を開けてあなたをお入れしたのは、家政婦さんだったそうですね」

「そのとおり」

「家政婦さんはどんな服装をしていましたでしょうか」

「はははは」と亀之介が突然笑った。

「醜態でしたよ。上に錆色のコートを着、裾から太い二本の脚がにゅっと出ていました。そして当人は気がつかないらしいが、後から赤い腰紐が、ぶらんとぶら下って床に垂れているんです」