Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じぞうそん
地蔵尊
徳冨 蘆花
Lisez 地蔵尊 (じぞうそん) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 006 caractères · 5 écrans
宝永四年と云えば、富士が大暴れに暴れて、宝永山が一夜に富士の横腹を蹴破って跳り出た年である。富士から八王子在の高尾までは、直径にして十里足らず。荒れ山が噴き飛ばす灰を定めて地蔵様は被られたことであろう。如何でした、その時の御感想は? 滅却心頭火亦涼と澄ましてお出でしたか? 何と云うても返事もせず、雨が降っても、日が照りつけても、昼でも、夜でも、黙ってただ合掌してござる。時々は馬鹿にした小鳥が白い糞をしかける。いたずらな蜘めが糸で頸をしめる。時々は家の主が汗臭い帽子を裏返しにかぶせて日に曝らす。地蔵様は忍辱の笑貌を少しも崩さず、堅固に合掌してござる。地蔵様を持て来た時植木屋が石の香炉を持て来て前に据えてくれた。朝々それに清水を湛えて置く。近在を駈け廻って帰ったデカやピンが喘ぎ喘ぎ来ては、焦れた舌で大きな音をさせてその水を飲む。雀や四十雀や頬白が時々来ては、あたりを覗って香炉の水にぽちゃぽちゃ行水をやる。時々は家の主も瓜の種なぞ浸して置く。散り松葉が沈み、蟻や螟虫が溺死して居ることもある。尺に五寸の大海に鱗々の波が立ったり、青空や白雲が心長閑に浮いて居る日もある。