Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうふ
坑夫
Lisez 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 690 caractères · 283 écrans
――要するに肉と云う肉がみんな退却して、骨と云う骨がことごとく吶喊展開するとでも評したら好かろう。顔の骨だか、骨の顔だか分らないくらいに、稜々たるものである。劇しい労役の結果早く年を取るんだとも解釈は出来るが、ただ天然自然に年を取ったって、ああなるもんじゃない。丸味とか、温味とか、優味とか云うものは薬にしたくっても、探し出せない。まあ一口に云うと獰猛だ。不思議にもこの獰猛な相が一列一体の共有性になっていると見えて、囲炉裏の傍の黒いものが等しく自分の方を向くと、またたく間に獰猛な顔が十四五揃った。向うの囲炉裏を取捲いてる連中も同じ顔に違いない。さっき坂を上がってくるとき、長屋の窓から自分を見下していた顔も全くこれである。して見ると組々の長屋に住んでいる総勢一万人の顔はことごとく獰猛なんだろう。自分は全く退避んだ。
この時婆さんが後を振り返って、
「こっちへおいでなさい」
と、もどかしそうに云うから、度胸を据えて、獰猛の方へ近づいて行った。ようやく囲炉裏の傍まで来ると、婆さんが、今度は、
「まあここへ御坐んなさい」
と差しずをしたが、ただ好加減な所へ坐れと云うだけで、別に設けの席も何もないんだから、自分は黒い塊りを避けて、たった一人畳の上へ坐った。