Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はか

墓

宮本 百合子

Lisez 墓 (はか) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 972 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

「そうねえ」

「――先生のお心持はわかっているんですが――どうも外の場合と違うから」

「そうですよ、あとでまたね――じゃあこうして下さいませんか、私の名で一つ電報を出して置いていただきましょうか。来いなどといってやるには及びません、ただ知らせだけ。――どうぞ」

火鉢のところへ坐ると、手伝いに来ている幸子が、茶を注(つ)いで出した。

「――あっちもこっちもだからお大抵ではありませんですね、ほんとに。――暫く横にでもおなんなさいまし、私あちらに参っておりますから」

「ええ、ありがと」

幾枝は、熱い番茶をのみながら、市原へ電報を打たせたことについて、こだわった気持になっていた。市原は、神戸で相当な請負業を営んでいる彼女の実弟であった。幾枝にとっては三人同胞(きょうだい)の大切な一人なのだが、ひどく良人の荻村と気質が合わなかった。荻村は、仏文科出の小説家であった。良人が第一流の芸術家として尊敬されるのは満足だが、神経の鋭さや、趣味のゆずらなさから、幾枝にすると、迷惑な場合も少くない。人格に圧されて承服はするが、本当に同感はされない。荻村の家庭における位置はそういうものであった。