Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
Lisez 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 485 caractères · 93 écrans
少女の足下で胸を射貫かれて死んだら、明日死ぬと誓ったこともはたされるわけだし、虚偽だらけなじぶんの半生の最後に、ただ一度、真実の朱点を打って死にたいという望みもかなうわけである。そして、そこに高く美しい心情の完成がある。じぶんの人生に於ける最後の大祝宴。心の戴冠式だ。
「戴冠式の馬車に向って、まっ直ぐに歩いて行こう。二つの戴冠式の合歓。……習俗の弾丸がおれの胸を射貫き、おそらく、五歩とは進ませまいが、しかし、おれの精神の飛躍は阻むことは出来ない。おれの肉体はぬかるみの舗石の上へ叩きつけられても、おれの精神は、一挙に無辺際の光明世界へ飛翔する。おれは、完成されて、死ぬ」
八
汽車が停って、僅かばかりの人が降りて行った。
窓をおし開けて見ると、昇降場の磨硝子の円蓋には水蒸気が白くたち罩め、その天井の高いところから、絶えず滴がたれ落ちていた。大気は湿って、寒かった。竜太郎は、思わず、身慄いした。
昇降場の電灯は、なぜか、ほとんど全部消灯され、ところどころに、一つ二つ点っているのが、霧の中でぼんやりした光暈をかいていた。線路も、跨橋も、指示標も、給水槽も朦朧たる霧の面をつけ、一種、陰険なようすで、佇んでいた。