Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼちてんぼうてい

墓地展望亭

久生 十蘭

Lisez 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 485 caractères · 93 écrans

Aozora Bunko

この長い間の狂熱、やるせない嗟嘆、感傷も、憧憬も身もほそる恋情も、何もかもひっくるめて、一瞬の後に、酬いられようとしている。

じぶんの腕の包囲のなかにとり込めて、睦言し、涙を流し、愛撫し、幾度も誓ったあの夜の少女は、いま、じぶんと咫尺を隔てて坐っている。

竜太郎は、恍惚たる情感に身も心も溺らせながら、また、ゆるゆると顔をあげてゆく。

膝が見える。それから、白い、小さな手が見える。デコルテの胸に金剛石を鏤めた大星章が煌めいている。美の資源ともいうべき、楕円形のかたちのいい顎が、見える……「あの夜の少女」だった!

心を吸いとるような、深い黒い瞳。……しずかに、涙あふらした、あの眼だった。早咲の真紅の薔薇が、そこに落ち散っているような、美しい唇。……それは、あの夜、いつまでも、かわらないと誓ってちょうだい、と叫んだ、あの唇だった。寛濶な新月の眉も、清純な頬の色も、何もかも、あの夜のままだった。

(ああ、とうとう……どんなに、逢いたかったか!)

胸もとに激情がこみ上げてきて、あやうく、そう、叫び出すところだった。

ところで、どうしたというのだろう。女王は、遠いところを眺めるような、ぼんやりとした眼付きで、ほのぼのと竜太郎の顔を見返している。