Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だんのうらのおにび

壇ノ浦の鬼火

下村 千秋

Lisez 壇ノ浦の鬼火 (だんのうらのおにび) de 下村 千秋 (しもむらちあき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 170 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

するとこれはまた意外のことに、法師がただひとり、安徳天皇のみささぎの前にたん座して、われを忘れたように、一心ふらんに、びわを弾じ、壇ノ浦合戦の曲を吟じているのでありました。そうして、法師の左右には、数しれぬ青い灯、鬼火がめらめらと、もえていたのでありました。寺男は、こんなに多いさかんな鬼火を、生まれてはじめて見るのでありました。寺男は一時は声もでないほどにおどろきましたが、やっと、心をおちつけて、

「法一さん、法一さん、あなたは、なにかにばかされていますよ。しっかりしなさい。」

と、耳もとでいいました。

しかし、法師は、寺男のことばをききいれるどころか、ますます一心に、ますます高らかな声で、吟じつづけています。

「法一さん、法一さん、どうなされたんです。こんなところで、なんのまねをしているんです?」

すると、法師は怒ったように寺男を制して、

「しずかになさい。だまっていてくれ。高貴な方々の前だ、ご無礼にあたるぞ。」

寺男は、これには、あっけにとられるばかりでした。もう、しようがないので、寺男は力ずくで法師をひきたて、その手をしっかりにぎって、むりやりに、寺へひっぱってきました。