Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だんのうらのおにび
壇ノ浦の鬼火
下村 千秋
Lisez 壇ノ浦の鬼火 (だんのうらのおにび) de 下村 千秋 (しもむらちあき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 170 caractères · 15 écrans
坊さんの足音にしては、すこしへんだと思いながら、耳をかたむけていると、とつぜん、ふとい声で、ちょうど武士が、けらいを呼ぶように、
「法一。」
と、よびかけました。法師はぎょっとして、すぐ返事もできずにいると、かさねて、さらにふとい声で、
「法一。」
「はい……わたしは、めくらでございます。およびになるのは、どなたでしょうか。」
法師は、やっとそう答えることができました。
「いや、おどろくにはおよばぬ。」
と、声の主は、すこしやさしい調子になり、
「わしは使いのものじゃ。わしのご主君は、それは高貴なお方ではあるが、多くの、りっぱなおともをおつれになり、いま赤間ガ関に、おとどまりになっていられる。さて、ご主君は、そのほうのびわの名声をおききになり、今夜はぜひ、そのほうの、とくいの壇ノ浦の一曲をきいて、むかしをしのぼうとされている。されば、これより、わしといっしょにおいでくだされたい。」
この当時は、武士のことばに、そうむやみにそむくわけにはいきませんでしたので、法一はなんとなく気味悪く思いながらも、びわをかかえて、その案内者に手をひかれて寺をでかけました。案内するひとの手は、まるで鉄のように、かたく冷たく、そして大またに、ずしりずしりと歩いていきます。