Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lisez 変な男 (へんなおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 508 caractères · 81 écrans

Aozora Bunko

「大学生にしては、随分荷物の少い方ですね。」

「だって、」澄子が応じた、「苦学をしてるとか仰言ってたじゃありませんか。」

「でもねえ、いくら何だって、本箱の一つくらいありそうなものですがね。」

「本箱は頭の中にしまっとく方がいいですよ。」と中村が云った。

「あんまり荷物が少なすぎますよ。」

辰代は自分一人の繰言をしながら、台所へやっていった。そして残りの用を済し、何か繕い物を持出してきて、室の隅に蹲った。

澄子はまた話の続きを初めていた。大学生とも一人の学生との応対の所になると、彼女と中村とは、はっと気付いて口を噤まねばならなかったほど、愉快な高笑いを洩らした。

「私あの方を、」と澄子は云った、「まるっきりの田舎者か、それとも偉い天才か、どちらかと思ってよ。」

「そうだね。」そして中村は考え深そうな眼付をした。「わざと衒っているのじゃないかしら。」

「いいえ、ありのままよ。衒うことなんか、これっぱかしも出来そうにない人だわ。」

「もしそうだったら、その変梃なのが正直な所だったら、澄ちゃんが云うように天才かも知れないね。」

「どうして?」

そこで中村は、医学上の見地から天才というものを解釈して、天才とは結局、頭脳の一部分が極度に発達して、他の部分が萎縮してしまってる、一種の不具者だとした。