Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lisez 変な男 (へんなおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 508 caractères · 81 écrans

Aozora Bunko

そんなことを考えると、辰代は漠然とした不安を覚えてきた。

「でもこれは私の思い過ぎかも知れない。」と彼女はまた考え直してもみた。

実際今井が変人だということは、日常の様子を見てもすぐに分った。辰代や澄子や中村などと顔を合せる時には、馬鹿に丁寧な挨拶をすることもあれば、むっつりとして眼を外らすこともあった。それがまるで気紛れで、こちらから挨拶すべきかどうか、その時々の見当が全くつかなかった。挨拶をしてるのに外方を向かれることもあるし、黙ってるのに丁寧な挨拶をされることもあった。両方うまく調子が合うことは稀で、大抵は気まずい思いが残った。それからまた、毎晩玄関の茶の間に集って、皆で一寸世間話をするのが、殆んど習慣となっていた。中村は、一日病院で働いてしみ込んだ薬の香を、それによって消し去りたい気もあったろうし、澄子は、いろんなことを云って中村に甘えて、父や兄弟姉妹のない淋しさをまぎらしたい気もあったろうし、辰代は、話の仲間入りしてる風をしながら、自由に居眠りたい気もあったろうが、然し何よりも、皆揃ってのそういう雑談は、それが習慣となってしまうと、欠かしては何だか物足りないような、知らず識らずの淡い魅力を持っていた。