Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へんなおとこ
変な男
豊島 与志雄
Lisez 変な男 (へんなおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 508 caractères · 81 écrans
今井は普通に食も進み、別段痩せた模様もなく、ただ力が失せ気が弱くなり身体がなよなよとしてきただけで、それも一方から云えば、あの変人が普の人間に近よってきただけで、何処といって変った様子は見えなかった。
「何処が悪いのかしら?」
そう思って辰代は、なお今井の様子に眼をつけた。すると今井は、万事澄子にも及ばないほどの弱々しさになっていた。――庭の木戸の輪掛金に、きつい差金を少し強く差込まれたのが、どうしても取れないで、今井はまごまごしていた。それを澄子は見かねて、一度にぐっと引抜いてやった。――自分でお茶をいれて飲むつもりで、今井は茶箪笥から茶の鑵を取り出したが、少し錆のあるその蓋が、なかなか取れなかった。「私が開けてあげるわ、」と澄子が云って、二三度やってみた後、容易く引開けてやった。――箪笥の後ろに落ちた櫛を取るから、手伝ってくれと奥の室に、澄子は今井を呼んできた。そして二人で、二段重ねの箪笥の上の部分を、持ち上げて下しにかかった。それが今井には大変な努力らしかった。箪笥を再び重ねる時には、今井は危くよろけそうだった。澄子は一生懸命に気張りながらも、今井を叱ったり励ましたりして、そして勝誇ったような顔をしていた。