Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lisez 変な男 (へんなおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 508 caractères · 81 écrans

Aozora Bunko

「水という水がすっかり、底まで澄みきってると思えば間違いありません。」と彼は結論した。

「それでは、舟になんか乗りましたら、恐うございましょうね。」

「恐いよりか綺麗です。……勿論、今じゃもう濁ってるかも知れませんが。」

「へえー。」と辰代は云ったきり、一寸挨拶に困ったが、それをうまくごまかした。「そうしますと、もう長くお国へはお帰りになりませんのですか。」

「三四年帰りません。」

「では高等学校もこちらで?」

「いえ、大学にはいって三四年になるんです。来年はもう卒業してやろうかと思っています。いつまでいてもつまらないですから。」

「そうでございますね、早くお卒業なすった方が宜しゅうございますよ。」

そこで彼がまた黙ってしまったので、辰代はそれをしおに座を立った。

「私はこうしてるのが勝手ですから、どうかお構いなく御用をなすって下さい。」

「それでは御免下さい。」

中腰でそう云い捨てて辰代が次の室へはいると、襖の影に娘の澄子が、今迄立聞きして居たらしくつっ立っていた。彼女はいきなり母の袂を捉えて、台所の方へ引張っていった。

「あの人変な方ね。」

「どうして?」と、辰代は聞き返した。