Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へんなおと

変な音

夏目 漱石

Lisez 変な音 (へんなおと) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 763 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

けれども、その頃自分の神経をあのくらい刺激した音の原因については別に聞く気も起らなかった。で、ああそうかと云ったなり朱泥の鉢を拭いていた。すると女が突然少し改まった調子でこんな事を云った。

「あの頃あなたの御室で時々変な音が致しましたが……」

自分は不意に逆襲を受けた人のように、看護婦を見た。看護婦は続けて云った。

「毎朝六時頃になるときっとするように思いましたが」

「うん、あれか」と自分は思い出したようについ大きな声を出した。「あれはね、自働革砥の音だ。毎朝髭を剃るんでね、安全髪剃を革砥へかけて磨ぐのだよ。今でもやってる。嘘だと思うなら来て御覧」

看護婦はただへええと云った。だんだん聞いて見ると、○○さんと云う患者は、ひどくその革砥の音を気にして、あれは何の音だ何の音だと看護婦に質問したのだそうである。看護婦がどうも分らないと答えると、隣の人はだいぶん快いので朝起きるすぐと、運動をする、その器械の音なんじゃないか羨ましいなと何遍も繰り返したと云う話である。

「そりゃ好いが御前の方の音は何だい」

「御前の方の音って?」

「そらよく大根をおろすような妙な音がしたじゃないか」