Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
Lisez 夏の花・心願の国 (なつのはな) de 原 民喜 (はらたみき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 816 caractères · 310 écrans
疎開の勤労奉仕に村の男子が全部動員されていたので、一村挙って寡婦となり、その後女房達は村長のところへ捻じ込んで行ったという話もありました。槇氏は電車の中や駅の片隅で、そんな話をきくのが好きでしたが、広島へ度々出掛けて行くのも、いつの間にか習慣のようになりました。自然、己斐駅や広島駅前の闇市にも立寄りました。が、それよりも、焼跡を歩きまわるのが一種のなぐさめになりました。以前はよほど高い建ものにでも登らない限り見渡せなかった、中国山脈がどこを歩いていても一目に見えますし、瀬戸内海の島山の姿もすぐ目の前に見えるのです。それらの山々は焼跡の人間達を見おろし、一体どうしたのだ? と云わんばかりの貌つきです。しかし、焼跡には気の早い人間がもう粗末ながらバラックを建てはじめていました。軍都として栄えた、この街が、今後どんな姿で更生するだろうかと、槇氏は想像してみるのでした。すると緑樹にとり囲まれた、平和な、街の姿がぼんやりと浮ぶのでした。あれを思い、これを思い、ぼんやりと歩いていると、槇氏はよく見知らぬ人から挨拶されました。ずっと以前、槇氏は開業医をしていたので、もしかしたら患者が顔を憶えていてくれたのではあるまいかとも思われましたが、それにしても何だか変なのです。