Classiques japonais avec furigana
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やしゃがいけ
夜叉ヶ池
泉 鏡花
Lisez 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 689 caractères · 56 écrans
学円 ふん。
晃 この土地、この里――この琴弾谷が、一個の魔法つかいだと云うんだよ。――
山沢、君は、この山奥の、夜叉ヶ池というのを聞いたか。
学円 聞いた。しかもその池を見ようと思って、今庄駅から五里ばかり、わざわざここまで入込んだのじゃ。
晃 僕も一昨年、その池を見ようと思って、ただ一人、この谷へ入ったために、こういう次第になったんだ。――ここに鐘がある――
学円 ある! 何か、明六つ、暮六つ……丑満、と一昼夜に三度鳴らす。その他は一切音をさせない定じゃと聞いたが。
晃 そうだよ。定として、他は一切音をさせてはならない、と一所にな、一日一夜に三度ずつは必ず鳴らさねばならないんだ。
学円 それは?
晃 ここに伝説がある。昔、人と水と戦って、この里の滅びようとした時、越の大徳泰澄が行力で、竜神をその夜叉ヶ池に封込んだ。竜神の言うには、人の溺れ、地の沈むを救うために、自由を奪わるるは、是非に及ばん。そのかわりに鐘を鋳て、麓に掛けて、昼夜に三度ずつ撞鳴らして、我を驚かし、その約束を思出させよ。……我が性は自由を想う。自在を欲する。気ままを望む。ともすれば、誓を忘れて、狭き池の水をして北陸七道に漲らそうとする。