Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

Lisez 夜明け前 (よあけまえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 205 629 caractères · 408 écrans

Aozora Bunko

寛斎が近く行って見たその西洋人は、髪の毛色こそ違い、眸の色こそ違っているが、黒船の連想と共に起こって来るような恐ろしいものでもない。幽霊でもなく、化け物でもない。やはり血の気の通っている同じ人間の仲間だ。

「糸目百匁あれば、一両で引き取ろうと言っています。」

この売り込み商の言葉に、安兵衛らは力を得た。百匁一両は前代未聞の相場であった。

早い貿易の様子もわかり、糸の値段もわかった。この上は一日も早く神奈川を引き揚げ、来る年の春までにはできるだけ多くの糸の仕入れもして来よう。このことに安兵衛と李助は一致した。二人が見本のつもりで持って来て、牡丹屋の亭主に預かってもらった糸まで約束ができて、その荷だけでも一個につき百三十両に売れた。

「宮川先生、あなただけは神奈川に残っていてもらいますぜ。」

と安兵衛は言ったが、それはもとより寛斎も承知の上であった。

「先生も一人で、鼠にでも引かれないようにしてください。」

手代の嘉吉は嘉吉らしいことを言って、置いて行くあとの事を堅く寛斎に託した。中津川と神奈川の連絡を取ることは、一切寛斎の手にまかせられた。

二

十一月を迎えるころには、寛斎は一人牡丹屋の裏二階に残った。