Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆめとぶんげい

夢と文芸

柳田 国男

Lisez 夢と文芸 (ゆめとぶんげい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 051 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

事実その様な狼狐が居たというよりも、どこかの人間の所業を獣の名に托して、あてこすって居るのだと覚られる話ばかり多い。是に反して我々の田舎では、その今一つ以前の状態が窺われるのである。殊に鳥類が軒端を過ぎ、又は庭前の木にとまってくりかえし鳴く言葉を、彼等自らの身の上を訴えるもののように、聴いて同情した昔話は多いのである。時鳥は昔誤った恨みで弟を殺した男が、罪を悔いて「庖丁かけた」と歎くのだと謂ったり、郭公や青葉ずくは一人子を失って、いつ迄も其子の名を喚ぶのだと謂ったり、不孝な鳶や鳩は親が死んだ後に、墓を川原に作ったことを後悔して、雨が降りそうになると悲しんで鳴くという類の言い伝えは、児童の頭に沁み込んで段々にその鳴く声が、人間の言葉にさえ聴えて来る。従って話はまだ活きて居るのである。あの世を空の向うに在るものと思って居た時代から、人の魂が羽翼あるものの姿を借りて、屡※(二の字点、1-2-22)故郷の村に訪い寄るという信仰があったものと思われる。それが仏法の教理に蔽われてしまって後まで、なお斯ういう切れ切れの記憶によって、昔の交通を維持して来たのである。