Classiques japonais avec furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Lisez 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 76 558 caractères · 153 écrans
玄関の格子戸をあけると間もなく障子がスーッと開いて、私より一つか二つ上位に見える痩せこけた紺飛白の書生さんが顔を出して三つ指をついた。髪毛をテカテカと二つに分けて大きな黒眼鏡をかけている。
「鶴原様はこちらで……私は九段の高林のうちのものですが……老先生からこれを……」
と菓子箱を風呂敷ごとさし出した。
書生さんは受け取って私の顔をチラリと見たが、私の眼の前で風呂敷を解くと中味は杉折りを奉書に包んだもので黒の水引がかかっていて、その上に四角張った字で「妙音院高誉靖安居士……七回忌」と書いた一寸幅位の紙切が置いてあった。
私はオヤと思った。ちょっとも気が付かずに持って来たが、これは若先生の七回忌のお茶だ。若先生の御法事はごく内輪で済まされていて、素人弟子には全く知らせないことになっていたのに老先生は何でこんなことをなさるのであろう。鶴原未亡人が差し出てお香典でも呉れたのか知らんと思いながら見ていると、書生さんもその戒名を手に取って青白い顔をしながら何べんも読み返している。何だか様子が変なあんばいだ。
そのうちに書生さんはニッと妙な笑い方をしながら私の顔を見て、