Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおいがわおくやまのはなし
大井川奥山の話
木暮 理太郎
Lisez 大井川奥山の話 (おおいがわおくやまのはなし) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 724 caractères · 20 écrans
夜中に対岸を獣でも通ったものか、がらがらと岩を踏み崩す音が二、三度聞えた。
翌日は魚釣りがてら悠々と河を遡って、ガッチ河内と中俣との合流点に達したのは、午前八時頃である。此処で一時間許り遊んで四、五十尾の岩魚を釣った。まだ釣ればいくらでも獲れたのであるが、際限がないから夢中になって釣っている雄吉を促して出発の用意をする。是からは道を離れ沢を離れて、山の神尾根の登りに懸るのである、少し登るとシシ崩れと称する大きなガレ(山側の崩壊したる所をいう)があるので、猟師は之をシシ崩れの道と呼んでいる。
この登りが急で又長い、其日はとうとう登り切れずに、途中で一時間も横に下って水のある処に野営し、八月二日の午前十時二十分に駿信国境のイザルケ岳の頂上に達することを得た。頂上は平で偃松がなく、敷きならしたような一面の小石である。中央に一段高く石を積み重ね、其の上に標石が建ててあった。高さは二千五百三十四米で、直ぐ南にある光岳より五十七米低い。生憎今日は雲が多かったので、期待した眺望は得られなかったが、何しろ久恋の山の頂上に立ったことであるから、喜びの余りに大声を揚げて叫んだ。