Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

その伊太郎は、本来は、小心で憂鬱の質であった。朋輩交際で芸者などは買ったが、深入りなどはしたことがない。それだのに今度の紫錦ばかりは、そういう事にいかなかった。つまりぞっこん惚れ込んだのであった。

こういう男女の落ち行く先は、古来往来同一である。夫婦になれなければ心中である。

驚いたのはお琴であった。

彼女は窃り訴え出た。「娘を誘拐した同じ一座が、今度は息子を誑かそうとします。どうぞお取締まり下さいますように」と。

勿論官では取り上げなかった。しかし全然別の理由から、立退きを命ずることにした。

この一座が掛かって以来、にわかに盗難が多くなって、風紀上面白くない。だから追い払おうと云うのであった。

鼬の芸当が人気を呼んでこの一座は評判が可かった。で生温い干渉では、引き払って行きそうには思われなかった。それに時代が幕末で、諸方には戦争が行なわれていた、官の威光も薄らいでいた。下手をすると逆捻を喰らう。

で疾風迅雷的に、やっつけようと云うことになった。

その夜二人はいつものように、肩を並べて茶屋を出た。

湖上は凄いほど静かであった。空を仰げばどんよりと曇り、今にも降ってきそうであった。