Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

やがて張番していたお絹もやって来て、言い合わしたように、二人が鎧櫃の前後に手をかけて動かしてみたけれど、ビクとも応えません。

事実、この中へ、いっぱいの金銀が入っているなら――金銀でなく、贋金であっても、これへいっぱい詰められていた日には、一人や二人の手では、ちょっと始末にゆかない。

この暗澹たる座敷の中で、鎧櫃を前に、二人は顔見合わせて笑いました。

笑ったのがきっかけで、主膳は手持無沙汰の態でこの座敷を出かけると、お絹もついて座敷を出る。神尾は以前の居間へ戻ったが、もう法帖どころではない。

お絹も、そわそわとして落着かない。

気の知れないのは七兵衛で、この七日の間、夜も、昼も、仕出し弁当で鎧櫃の傍に頑張っていながら、今日という日になると、朝から出かけて、正午時分になっても、夕方になっても、とうとう夜になっても帰って来ない。

それを気にしているのは、むしろ神尾主膳とお絹とで、お絹の如きは幾度、その廊下を行きつ、戻りつして、この座敷を覗いて見るたびに、昼なお暗い室内に人の気配はなく、鎧櫃のみがビクとも動かずに控えている。

それを見るとホッと息をつきながら、また新たに心配のようなものが加わる。