Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

もうこれ以上は――神尾も手が届かなくなった。鎧櫃の底はまだ深い。向うも遠いけれども、コジあけた穴の大きさに限りがあるものだから、そこで手の届く限りは掴み出してしまって、再び穴をくりひろげるか、そうでなければ、櫃を打壊すか、ひっくり返すかしないことには、取り出せなくなったので、神尾が手を休めて見返ると、お絹が拾い集めてはいるが、お絹一人の手では間に合い兼ねて、四辺は燦爛たる黄金白銀の落葉の秋の景色でしたから、この目覚しさに、自分のしたことながら、自分のしたことに目を覚して、その夥しい金銀の落葉に眩惑し、現心で、その中の一枚を拾い取って見ると、疑う方なき正徳判の真物……

その時に廊下で、咳払いがして、人の足音が聞え出す。七兵衛が帰って来たのです。

その咳払いと、足の音を聞くと、吾を忘れていたお絹が、はっと胆を冷しました。

「あ」

一方を見返ると、自分たちが開け放しておいたところに、七兵衛がヌッと立ってこっちの狼藉を見ながら、ニヤリニヤリと笑っています。

「七兵衛か」

と神尾主膳も槍を手にして、帰って来た七兵衛を見返りながら、てれ隠しの苦笑いです。ただ隠しきれないのは、室内に燦爛たる黄金白銀の落葉の光。