Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans
「お前の名は、お玉さんていうんだね」
「ええ……玉屋のお玉ですから覚えいいでしょう、忘れないで須戴な」
「あ……」
米友は吾を忘れて感動しました。その時、外で弥次馬が、
「お安くねえぞ、御両人……」
その声を聞くと米友が真赤になって、地団駄を踏みました。
それ以来、あらゆる年頃の女がお君に見えてたまらない。幼ければ幼い時の面影に、年ばえは年ばえのように、婆は婆のように、宇治山田の米友には、夢寐にもその面影を忘るることができないでいたのに、ここへ来て、初めて正真のお玉を見ることができた。名さえそのままではないか……これがお玉でなくて誰だ。
米友は口が利けないほどに感動したけれど、それがほんとうにお君に似ているか、いないかは問題です。
可憐なる米友は、その晩一晩中、このお玉の姿に憧れてしまいました。給仕に来たのもこの女、床を延べに来たのもこの女。
「お玉さん……お前はな……」
と言ったきり、米友には口が利けませんでした。
「ホ、ホ、ホ、御用があったら、いつでもお呼び下さいな、この向うの突当りの部屋に休んでいますから。夜中でもかまいませんよ」
と女はあいそうよくいいましたが、不幸にして米友には、それ以上に挨拶をすることができませんでした。