Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

道庵の気紛れは、今にはじまったことではない。ある時は長くなり、ある時は短くなるのも、今にはじまったことではないが、気の短い一方の米友が、こうして別段にじれ出そうともしないのは、遥かに東を望んで、泣いているからです。

「あッ」

暫くあって気がつきました。鴉が鳴いて西へ急ぐからです。

そこで、米友は玉垣へ立てかけて置いた杖槍を取るが早いか、転ぶが如くに権現前の石段を、一息に走せ下りました。

「こんにちは」

権現の前の石段を一息に走せ下ったところは、碓氷の貞光の力餅です。

「先生はどうしたい、先生は――」

そのまるい眼をクルクルとして、力餅屋へ乱入しましたけれど、餅屋では相手にしません。

「先生……おいらの先生……」

次に米友は、その隣りの茶店へ乱入しましたけれど、茶店でも取合いませんでした。

「ちぇッ」

米友は舌打鳴らして地団駄を踏みました。どうも見廻したところ、この近辺にわが尋ねる先生の気配がない。

茶店の隣りが荒物屋――その隣りが酒屋だ。この辺で、鼾の声がするだろう……てっきり――とのぞいて見ても、道中の雲助共が、ハダかっているだけで先生の姿が見えない。