Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 467 caractères · 168 écrans

Aozora Bunko

松野主馬はそれから、主人金吾中納言の馬前に膝を突いて、言葉を恭しくして次の如く言った、

「あれをごらんあそばしませ、ただいま軍勢に向って申しました通り、あれは大谷刑部少輔が、石田のために命を与えに行く道すがらでござりまする。まことにもののふの鑑と申すべきではござりませぬか。恐れながら、わが御先代の小早川隆景公は日本第一の明将でございました。御一身の栄達を犠牲にして毛利の本家の礎を据え、筑前五十万石を、太閤殿下よりの御養君たるあなた様のために残し、御身は何物をも持つことなくして生涯を終りになりました。この御陰徳がいつの世か報い来らぬことの候べき――豊臣は亡び、徳川は衰えるとも、毛利の家は動くことなかるべしと人が噂をするのは、一に隆景公の御陰徳と申しても苦しうござりますまい。太閤殿下の御血筋を引き、この小早川の名家を御相続あそばされた我が君――畏るべきは後代の名でござりまする、あやかりあそばしませ――いま目のあたり見る大谷刑部が義心を御覧じませ、事の成らざるを知りつつ一身を友に与うるは、もののふの鑑にござりまする、我等武人としては、この後塵を伏し拝むべきでござります」