Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lisez 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 285 635 caractères · 558 écrans

Aozora Bunko

江島生島の事になったり、延命院の騒ぎが持上ったり、或いは長持に入れて小姓を運んだり、医者坊主が誘惑されたりするのは、ホンの小さな穴をあけて表に現われただけの落ちこぼれで、張りきった油は、その中にどろどろとして、人の来って食指を動かすのを待っている。

その時分、夜も大分ふけて、屋敷の外でしきりに犬がほえだしたものですから、一同が、申し合わせたようにピタリと密議をやめて、

「イヤに犬がほえるじゃないか」

何かしらの不安におびえる心持。それを神尾主膳も暫く耳をすましていたが、

「心配することはない、使の者が戻ったのだろう」

という。

「使の者とは……」

神尾のとりすました言葉に、不審をいだく者がある。

今時分、何のために、どこへ使を出したのか、解せないことである。

「江戸城の、大奥の間取りを見て来るといって出かけたはずだが、多分、それが戻って来たのだろう」

「冗談じゃない」

一座は呆れ返りました。神尾が抜からぬ顔でいうものだから、冗談とも思われないので、また呆れました。

そんなら計画はそこまで進んでいたのか。これは今夕のやや程度の進み過ぎた座談とばかり思うていたのに、早や細作を、千代田の城の大奥まで入れてあるらしい神尾の口吻には、真偽未了ながら、その進行の存外深刻なのに恐怖を抱く程度で、呆れたものもあります。