Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
福松の欣々として帰ったのはこれがためでありました。水草を追う稼業であればこそ、身の振り方のついたということに、無上の安心を置いていたらしい。同時に、これが同行の兵馬をも悦ばせずには置かないと独り合点の推量で、わくわくしながら話しかけると、兵馬は膝を進ませ、言葉を改めて言いました、
「ああ、それは結構です、実は、拙者も今、物を書きながら、それを考えていたところです、自分の身は天涯ドコへ行こうとも屈託はないが、君の身の上が、女であってみると、拙者相当の取越し苦労で心配してあげていた、それが、渡りに舟で、先方からそういう話が向いて来たのは何より。では、君はここで安定しなさい、そうすれば、拙者はこれで心置きなく、自分の目的へ向って進行することができる」
この改まった言葉を聞いて福松が、がっかりして狼狽てました。
「あら、そんなはずではありませんのよ、わたしが嬉しいことは、あなたにも悦んでいただきたいから申しあげたのに、わたしにここへ留まって、あなただけがお出かけなさるなんて、そんな情合いで申し上げたのじゃあありません。何でもいいから、暫く御逗留なさいね、少しの間、この福井の御城下を見物したり、三国へとうじんぼうをたずねたりして、当分こちらにいらっしゃいね。