Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lisez 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 242 044 caractères · 477 écrans
死骸は一通り検視を受けた上に、ともかく、間近の孫次郎の宿の一室へ引取られて、そこへ静かに横にして置きますと、ちょうど来合わせた巫女があります。宿の女中たちは、巫女を呼んで、この女のために口よせを頼み、その非業の魂をやわらげると共に、無告の訴えを幽冥界から聞こうとしました。巫女は心得て、樒の葉に水を手向けて、あずさの弓を鳴らし、
「そもそも、つつしみ、うやまって申したてまつるは、上に梵天帝釈四天王、下界に至れば閻魔法王……」
もっともらしく神おろしをはじめたが、時が時でしたから、笑う者がありませんでした。
この口よせのいうことは、一向とりとまりはないが、その文句のうちに、「口惜しい悲しいで気がとりつめ」とか、「この魂が跡を追いかけて引き戻してくる」とか、「東は神宮寺、西は阿礼の社より向うへは通さぬ」とか、髪をふり乱し、五体をわななかせ、油汗を流して、呪わしい言葉を口走っている。それを正直に女中たちは、身の毛をよだてて怖れている。その時どうしたのか、急にこの席を外して立ったのが、この宿の番頭で、まっくろい面をしながら、うろたえて帳場へ戻って坐り込んだが、落着かないで、物につかれたように眼を据えている。