Classiques japonais avec furigana
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Lisez 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 456 caractères · 55 écrans
しかし昨年の春、保一くんが某所の遊女を身請けしようとしたときには、長男の手前もあったであろうが徹底的に怒って、昔のいわゆる勘当をすると言い出しましたけれど、なんと言われても保一くんは初志を貫徹しようとしましたので、健吉くんが仲に入ってその遊女を身請けさせ、一方、未亡人の意志を尊重するためひとまずY区に別居させて売薬店を開かせ、当分出入りを禁じたのであります。ところが、未亡人は勝ち気な人であるだけ一面はなはだ頑固であって、保一くんが請け出した女と手を切らぬ間は決してふたたび会わないと言って、健吉くんやきよ子嬢が何度頼んでもどうしても聞き入れず、ついに今回の悲劇が起こるまで勘当の状態が続いたのでした。
さて、話はここで健吉くんのことに移らねばなりません。健吉くんは保一くんと違って素行がきわめて正しかったのですが、最近Mデパートメント・ストアに勤めている、ある美しい女店員と恋に陥りました。間もなく二人の恋は白熱しました。とうとう健吉くんは去る七月十五日に、未亡人に向かって恋人を妻に迎えたいと告げたのであります。
ところがです。未亡人はどうつむじを曲げたものか、非常に憤慨しました。